無題

 配信リリースのみを行うレーベルとフィジカルリリースを続ける自主レーベルの話?

わずか4年間、レコードリリースを希望するバンドと協力をしてきた。
 【所属する】という概念を持たず、お互いフェアな関係で、"レコードを出す寄り道"程度にバンドがレーベルを捉えてもらえるように心掛けてきた。それはお互いに過度な期待をかけない、けれどもメリットを与えあう理想の関係性だと今でも考えている。
 しかし限界もあるので、レーベルとしてバンドの希望があれば、レコードとセットで他フォーマットのリリースも行う事を決めている。例えば"要望があれば"レコードと同時にCDや配信リリースを行っても良いと考え、または配信のみを希望するバンドと今後出会った場合は、『バンド負担少なくレコードを市場に流せるメリットを伝え、両方を検討してもらう等々柔軟に回せていけたらと考えている。
  
 もし、個々のレーベル運営者がフォーマットに極端な執着をもっていたとしても、そんなものははっきり言って『わざわざ周りが話題にする必要もない些細な事』だ。
 極端な意見を発信していたとしても、それは活動方針のモチベーション維持・継続する為のルールを自己に課しているという事が大前提である。地道な活動を奮い立たせる意味を強く込めているという事でしかない。
    自主レーベルは、バンド側聴き手側に音源・企画、場合によってはツアーetcをそれぞれのやり方で提供する、そこで皆と共に楽しむという最大の『目的達成』までを遂行する所詮『裏方』でしかない。だからこそ素晴らしい。だからこそレーベルは運営者の表現活動ではないのだ。地道な作業の中に・組み合わせの中に情熱を注ぎ込み人知れず助走を勝手に続け、店に卸すだけでもそれを大きな爆発のように感じる(勝手にそう思っているだけです)事ができるのは、"表現活動"をしているバンドのおかげなのだから。
 そんな聴き手の延長として、得られる快感を超えた快楽なのだ。そこに美学がある。
(※レーベル主がキャラクターを立てる行為は、目的達成の為の戦略?がほとんどだと思います)

 昨今は、選択する事も物を作る事もバンド自身が簡易に行える時代である。どういった形にてリリースをするのか、任せる相手を見つけるのか、自分達でコントロールをするのか、全ての選択権はバンド側にある。『レコードを最小の負担で出したいと思っているバンド』がいるからこそ、レコードレーベルには存在価値がある。
 多くの音楽を聴き漁りたい人にとって、今は夢のような時代である。非効率さに意味を持たす感覚は薄れつつあり、高効率性の恩恵を受けた幅が全体の成長に直結している。しかしあの手この手を使って楽しみたくなるのが人間の性、『聴き手の楽しみ方の選択肢』にレコードレーベルは生かされている。
 というようにバンドと聴き手が様々な手段の中から選択をするモノの一つとして、色々なレーベルも存在している。何を選ぶかはその人達の自由だ。(ただ、例えば無理矢理にでも人に聴かせたいくらい心から執着しまくっているような音楽の現物が存在するのならば、どう楽しむかは明白ですよね。執着が嘘ではないのなら)

 90年代に『レコードオタクが叩かれていた状況』なんかもなんとなく把握はしてきた。00年代初頭の、何を優先しているのか理解に苦しむ低クオリティ化(小学生の工作レベルの最低なペラ安糊付けの物等々)な洒落っ気ゼロのDIY拗らせ末路を面白いと思った事も一度もない。なのでレコードをリリースする行為自体、上の人間からの影響は皆無だ。どちらかというとリアルタイムな海外のレーベルから強い影響を受けた。
 が、いてもたってもいられないテンションを自力で形にするようなモチベーションには80年代〜90年代の日本のレーベルより多大な影響を受けたと堂々と言いたい。
  
 市場に送り出す事、音楽に実態としての付加価値をつける事、ライブで購入する楽しみを提供する事、永久に視覚効果を楽しめる事、、、それらは『あった方がいい』ものであって『無くても別にいい』事では絶対にない。それらに代わる何かがあったとしても、上記は限りなく欲求に近い剥き出しの楽しみ方に直結しているのだから。人間はそれらを捨てる事が出来ない。
 "配信オンリー"の方法にフィジカルリリースと比較しての強みがあるのならば良いが、コスト削減やら経費捻出やら気楽さといったレーベル側の都合・妥協点が1ミリでも"配信オンリー"の理由に見え透くのであれば、そんなものは絶対に認める訳にはいかない。(※配信のみの手法がバンド側の表現方法の一つなのであれば全然okですが)

  配信しか行わない縛りをレーベルが自称する事は、まだまだ時代的に100%理解を得られていないと思われる。それでも縛る理由は何?入れ込んでいるバンドが配信のみのリリースを拒否した場合、リリースを諦めるのか?包括的な役割を担おうとしても、いきなり個人が経験を飛び越え環境を構築できるのか?生活が苦しく現物を作る資金が回せなくとも、リリースしたい気持ちがあれば深夜にアルバイトでもできるんじゃないのか?どんな手を使ってでも金を集められるんじゃないのか?(親の脛をかじったり、遺産を食い物にするのは論外です。やめてください)

ちなみに私は、レコードでもCDでもダウンロードして携帯でも音楽を聴き毎日を楽しく過ごしています。